告知義務ってなあに?

2024年08月05日

告知義務ってなあに?

 

ある物件を買うにしても、借りるにしても、誰かから買ったり、借りなくてはなりませんが、情報は不十分です。

 

一方で、その物件について、売主や貸主はよく知っているわけですが、売主や貸主にとって、都合が悪い情報を買主や借主に知らせない恐れがあります。

 

宅地建物取引業法第47条は、不動産取引において売主や貸主(宅地建物取引業者)に課される告知義務について定めています。これにより、取引の透明性と公正さが確保され、買主や借主が適切な判断を下すための重要な情報が提供されることが求められています。

 

まず、宅建業法第47条の主な内容をご説明します。

 

1. 重要事項の説明義務

    売買契約や賃貸契約を締結する際に、宅地建物取引業者は宅地建物取引士によって重要事項説明書を交付し、その内容を詳しく説明する必要があります。

     重要事項には、物件の権利関係、法令上の制限、設備の状態、周辺環境の情報などが含まれます。

 

2. 虚偽の説明の禁止

     宅地建物取引業者は、物件の状態や契約条件について虚偽の説明をしてはなりません。故意に誤解を招くような情報提供も禁止されています。

 

3. 重要な事項の告知

     次のような重要な事項については、宅地建物取引業者が正確に告知する義務があります:

    ○ 物件の登記簿上の権利関係(所有権、抵当権など)

     ○物件の用途や利用制限(用途地域や建築基準法による制限など)

     ○物件の現況や設備の状態(シロアリ被害、雨漏り、基礎の亀裂など)

     ○周辺環境の状況(騒音、悪臭、治安など)

 

それでは、告知義務の具体例を見てみましょう。

 

【構造的欠陥】

   建物にシロアリ被害や雨漏りがある場合、その詳細を告知する必要があります。

 

【法律上の制限】

  物件が特定の用途地域にあり、建築制限がある場合、その内容を正確に説明しなければなりません。

 

【近隣環境】

  物件周辺に大きな工場があり、騒音が問題になる場合、その情報を提供する必要があります。

 

それでは、こうした告知義務違反を買主や借主があとで知ったときには、どうしたら、良いのでしょうか?

 

【契約の解除】

  買主や借主が契約の解除を求めることができる場合があります。

【損害賠償請求】

  告知義務違反によって生じた損害について、売主や貸主に対して損害賠償を請求することができます。

 

なお、宅地建物取引業者に対して、業務停止や免許取り消しなどの行政処分が課されることがあります。

 

告知義務