用途地域ってなあに?
2024年07月29日
用途地域ってなあに?
用途地域ってなあに?
用途地域という言葉を普通の生活で聞くことはほとんどないかと思います。
用途地域とは、日本の都市計画法に基づき、土地の利用目的や建物の種類を制限するために定められた地域区分のことです。これにより、都市の無秩序な発展を防ぎ、住環境や都市機能の向上を図ります。用途地域は、主に住宅系・商業系・工業系・その他に分かれ、以下の13種類に分類されます。
【住居系】
1. 第一種低層住居専用地域
低層住宅のための地域。高さ制限があり、閑静な住宅街を維持します。
2. 第二種低層住居専用地域
第一種低層住居専用地域と似ていますが、小規模な店舗や事務所も一部許可されます。
3. 第一種中高層住居専用地域
中高層住宅のための地域。高さ制限はあるが、第一種低層住居専用地域より緩やかです。
4. 第二種中高層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域と似ていますが、小規模な店舗や事務所も一部許可されます。
5. 第一種住居地域
住居を中心に、一定規模の店舗や事務所も許可される地域。
6. 第二種住居地域
第一種住居地域よりもさらに幅広い業種の店舗や事務所が許可されます。
7. 準住居地域
住居のほかに、自動車交通関連施設などが建設できる地域。
【商業系】
8. 近隣商業地域
近隣住民の日常生活に必要な店舗やサービス業が集まる地域。
9. 商業地域
銀行やオフィス、娯楽施設などが集まる都市の中心部に多い地域。建物の高さ制限が少なく、幅広い用途が許可されます。
【工業系】
10. 準工業地域
軽工業やサービス業、住居も許可される地域。住居と工業が共存します。
11. 工業地域
幅広い工業用途が許可される地域。ただし、危険物を扱う工場などは制限されることがあります。
12. 工業専用地域
工業専用で、住居や店舗は許可されません。重工業も含む、工場が集中する地域です。
【その他】
13. 田園住居地域
農地と住居が混在する地域で、農業を続けながら住むことができます。
次に、用途地域の目的をみてみましょう
○住環境の保護
住居専用地域などでは、住環境を保護するために商業施設や工業施設の建設が制限されます。
○都市機能の向上
商業地域や工業地域では、都市の経済活動を促進するために適切な施設の建設が奨励されます。
○無秩序な発展の防止
都市計画に基づいた用途地域の設定により、土地利用の無秩序な発展を防ぎます。
ようは、
用途地域が定められている目的は、安全で住みやすい街づくりをするためです。
たとえば、住宅街に大きな工場があったら、一日中うるさかったり、大型トラックの出入りが危なかったりしますよね。
このような状況を避けるために、13の地域に分け、それぞれの地域の用途を決めて、建築可能な建物を定めています。
ただし、日本のすべてのエリアにおいて用途地域が定められているわけではありません。
日本の都市は、都市計画法という法律によって「都市計画地域」「市街化調整区域」「準都市計画地域」の3つに大別されます。
この中で、多くの人が生活していて計画的に街づくりを進めている「都市計画地域」が、さらに「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引区域」の3つに区分され、その中の市街化区域において用途地域が定められています。
市街化地域は、たくさんの人が生活している市街地またはこれから市街地化を図る地域であり、快適・安全・住み良く暮らすために、地域の用途や建物に制限をかけているのです。
このように用途地域を知っておくと、周辺環境や今後の街の変化がわかりやすいため、家を建てる際に暮らしのイメージがしやすくなるでしょう。
用途地域の確認方法ですが、用途地域は、市区町村の都市計画図やホームページで確認することができます。土地の購入や建築を考える際には、必ず用途地域を確認し、計画に沿った適切な利用を検討することが重要です。
用途地域を知ることで、そこに建てられる建物の種類や主にどんな方向にそのエリアを発展させようとしているのかを知ることができますよー^^
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